富賀岡八幡宮 は、砂村新田の鎮守で天平勝宝元年(749)に創建された歴史の古い神社です。
この周辺が「砂むら元八まん」で描かれている場所です。
境内につくと早速、鷹野先生の説明を聞き、境内での撮影を始めました。
元八まんのいわれは、富岡八幡をはじめて砂村に勧請した地でしたが、寛永年間に深川に移転したため、残されたお社を「元八幡」と呼ぶようになったそうです。
本殿裏には富士塚があり、その前に何故か砲弾が置かれていました。
しばらく境内で撮影した後、 元八幡通りに出ました。
元八幡通りは、シャッターが下りたところがありましたが、写欲をそそるお店が沢山あり、皆さんしきりにシャッターを切っていました。
狭い道に路線バスや自動車が通るので、車に注意しながらの歩行と撮影でした。
元八幡通りから丸八通りに出ると、そこからやや北上し仙台堀川公園に入り、西に向かいました。
公園内では色付き始めた木々の葉や秋の花、池あり橋ありで被写体に事欠きません。
身近に感じる秋の気配をカメラに収めていると、雨がポツリポツリと降ってきました。
頭上は青空が見えるので、天気雨だなどと言って楽観していると、雨脚がひどくなったので、慌ててビルの下に駆け込みました。
その場で雨宿りをしばらくしていると、やがて青空が戻ってきて、うっすらと虹が見えてきました。
さあ~、撮影会の再開です。
雨に濡れた木々の葉に光が当たり幻想的な光景、花や葉っぱに垂れ下がる水滴や水たまりに映る景色など、雨による景色の変化に写欲を増々そそられ、しばらく公園内で撮影を楽しみました。
通りがかりの人とから「皆さん何を撮っているのですか?」と不思議そうに声をかけられました。
公園内を2キロ弱進んだところで、ようやく公園を後にしました。
公園を出たところは、江東区千石一丁目。
このあたりが「深川洲崎十万坪」の場所の一部になります。
十万坪とは、現在の江東区千田、千石、石島、海辺、扇島あたりで、北に小名木川、南に仙台堀川、東に十間川、西に大横川に囲まれた広大な面積で、一橋家の領地でした。
当時は湿地帯だったそうですが、今では住宅街になって、絵とは全くイメージが変わっていました。
ここでは、鷹野先生の説明を聞いて、東京スカイツリーを正面に見ながら、小名木川に向かいます。
周りの町を眺めながら歩を進めると、小さな商店街や地蔵尊などがあり、古い街並みを感じました。
しばらくすると、小松橋が正面に見えてきました。
小名木川に架かる橋で、西側には東京のミニパナマ運河と呼ばれる扇橋閘門があります。
小名木川の東西の水位差を調整して、船の運航を可能にする施設です。
小名木川沿いを東側に歩き、ひとつめ橋の小名木川橋に向かいます。
最後の目的地「小名木川五本まつ」の場所・小名木川橋に着きました。
小名木川橋の欄干に「小名木川五本まつ」のプレートが飾っています。また、橋の北詰めには小名木川五本松の跡碑と松が植えられています。
もともと五本あったのが、枯れて広重が描いた松の1本が残ったそうです。その場所は、写真左側の建物付近に立っていたそうです。松尾芭蕉もこの松を詠んでおり、枝ぶりの良い松で有名だったといわれています。
小名木川は、徳川家康が塩の運搬のために開削を命じた、中川と隅田川を結ぶ運河です。そのため川は直線ですが、広重はあえて川を曲線に描いて遠近感を出しています。
途中雨で雨宿りをしたため、解散時刻が予定より30分過ぎたため、早くも日が暮れ始めていました。
幸いにも、皆さん事故もケガもなく無事な顔をそろえて帰路に就くことができました。
今回撮影した作品の、鷹野先生による講評とアドバイスは、11月19日(日)14時からの「講評と講座」でしていただきます。
また、次回(12月10日)の撮影会で訪ねる「高輪うしまち~広尾ふる川」の見所などを解説する「講義」も同時に行われます。
会場は、森下文化センターの第三研修室で開催されます。
「写真サークル江戸東京散歩」や歌川広重の「名所江戸百景」などに興味をお持ちの方、見学は無料ですのでご気軽に参加されませんか。
見学の申し込みや問い合わせなどは、「お問い合わせ」をご利用ください。お待ちしています。