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神田紺屋町コースの撮影会を開催

514日(日)、神田紺屋町コースの撮影会が開催されました。

広重の描いた名所江戸百景の4カ所を巡るコースです。予報では雨が降る天気でしたが、幸に雨に合わず薄曇りの天気でした。

 

集合の神田駅を出ると、お囃子の音が聞こえます。前日から神田祭が開催されていて、町は提灯などの飾りで祭り一色でした。この日は神田明神に神輿200基が渡御する神輿宮入があるので、撮影会への影響が心配されました。 

 

名所江戸百景に描かれている「神田紺屋町」は、藍染職人の紺屋が多く集まっていた町でしたが、その当時の名残はまったくありません。

 

町名の由来が書かれた説明板の前では、描かれている江戸期と現在の地図を、講師と一緒に覗き込むようにして見比べました。

 

また、神田八丁堀跡では鷹野講師がスマホを利用した説明にも画面覗き込み話を聞き入っていました。

次に、旧十思小学校(現・中央区十思スクエア)と隣の十思公園に向かいます。

 

旧十思小学校は東京都選定歴史的建造物で、建物の角が円形になった玄関正面は、面白いつくりになっていました。

 

十思公園には、伝馬町牢屋敷跡と石垣遺構、銅鐘石町時の鐘、吉田松陰終焉の地石碑などがあります。

 ここでは、しばらく公園内の碑や遺構などの説明板を見てまわりました。

 

牢屋敷があった影響か、 公園の向かい側に見延別院と大安楽寺のふたつのお寺が並んでいます。

 

境内に「油かけ大黒天神」という珍しい大黒天がある見延別院では、住職から本堂でお寺の説明をしていただきました。

 

 大安楽寺には延命地蔵や江戸伝馬町牢御椓場跡の石碑、牢石垣の一部、井戸跡などがあり、ここでも参拝し撮影を楽しみました。

 

次に向かった大伝馬町は、広重が「大てんま町木綿店」と「大伝馬町こふく店」を描いています。

 

このあたり一帯はビルが立ち並んでいて、呉服店の街を思わせものは残っていません。しかし、ビルとビルの間に古い建物や寶田恵比寿神社があり、風情のある街の一面を見せてくれました。 

 

左の写真は、「大伝馬町こふく店」で描かれている「大丸呉服店」があったとされているビルの前で説明する鷹野講師とそれを聞く受講生たちです。

 

馬喰町の繊維問屋街一帯は、初音の馬場があり、広重が「馬喰町初音の馬場」を描いた場所です。

広重の絵では、吊り干された反物が大きく左右に広がる近景に、馬場と火の見櫓が遠景に描かれています。

反物は神田紺屋町の染め物職人が干しているといい、この辺りは昔から繊維業が盛んなところだったようです。

 

休日の問屋街は開いている店は少ないが写真を撮るには面白い街で、ウィンドウを覗いたりしながら暫しの撮影タイムを楽しみました。

偶然にも、神輿がやって来たので、カメラを手に足早に神輿へ向かい、シャッターを切り続けました。 

 

繊維問屋街から靖国通り浅草橋交差点を渡り、ビルの2階に鎮座する初音森神社に向かいました

 昔、この付近は、鶯のさえずり声が聞こえる森で、初音の里と呼ばれていたそうです。 社殿前に馬場がつくられたことを表わしているのか、2階に上がる階段の途中に馬の銅像がありました。

 

神社裏の神田川には、屋形船が両岸に係留しています。ここでも、シャッターが沢山切られていました。

 

ここから道路挟んだ向かい側に、郡代屋敷跡があります。ここが、本日のゴールです。

関東の幕府直轄領の年貢徴収・治水・領民紛争の処理を管理した関東郡代の役宅があった場所には、現在は日本橋交番所が建っていました。

 

幸いにも、途中雨も降らず、また神田祭の神輿もカメラに収めることができ、更に全員無事な顔で揃い大変いい一日でした。

 

解散の声と同時に雨が降り出す、絶妙のタイミングで帰路につきました。

 

 

 

今回撮影した作品は、5月28日(日)14時から森下文化センターで講評会が開催されます。

講評会では、鷹野講師から講評とアドバイス、更に次回撮影会の説明があります。

見学は無料ですので、関心のお持ちの方、ご遠慮なくお越しください。ご希望の方は、事前に「お問い合わせ」からご連絡をお願いいたします。

 

また、「写真サークル江戸東京散歩」に関するお問い合わせなどは、お気軽に「お問い合わせ」をご利用ください。